夜も寝ないで昼寝してやっているお箸の漆塗りです。
手前と奥で色が違いますが、手前は二度目の拭き漆をしたところで奥のは一回目の拭き漆です。
乾く前は白っぽいですが翌日の朝には茶色に変化します。漆の乾燥というのは化学変化みたいなものなので、実験をしているみたいで楽しいですよ。
よく売っている御箸みたいに表面をテカテカにするには念入りに磨きながら拭き漆を何度かやればそうなります。
一見綺麗に見えてもそういうお箸は滑りやすくなってしまいます。
あまり表面に華美を求めずざっくり仕上げたほうが滑りずらく実用性は高いし手作りらしい味があるように自分では思っています。
何人かお箸を細くしすぎている子がいて、たぶん使ったら速攻で折れてしまうだろうなと思われるものがあります。
可哀想なので、はんこ屋さんが作ったお箸を別に送ってあげようかと考え中です。
材料を粗末に扱う子には、木は育つのに何年もかかることや、同じ木は他に存在しないことを教えてあげるべきなのだと思いますが、
あまりいろんなことを言いすぎるのも考え物なのでついつい言葉は控えめになってしまいます。
漆も貴重なもので、木を植えて漆の樹液を採集できるようになるまで15年かかるそうです。
そして一本の木から採れる漆はたったの200グラム程度。漆を採集した後の木は切り倒されてしまうそうです。
こういうことは学校の先生からもぜひ子供たちに教えてあげて欲しいことです。