小学校で先生から、「文字は右上がりになるように書きなさい」と教えられてきたような気がします。
しかしはんこの中に「可愛らしい感じ」で文字を入れようとするとき、ほとんど右下がりにしているような気がします。
昨日も書きましたが、はんこは横書きの場合右から左に文字を並べていくのが普通です。
そのとき円形の中に二文字なり三文字なりを入れていこうとすると、まず円形の右上の形を意識せざるを得ません。
円の右上の部分というのは中心から右にいくにしたがって円弧が下がっているわけで、そこに収まるように文字を入れようとすると当然のことながら右下がりになります。右上がりの文字を入れようとすると、円から飛び出してしまいます。また、それを回避しようとすると文字の位置をかなり下にしなければなりません。
なので、けっこうな確率で小学校の先生の教えに逆らって、右下がりの文字を書いていますww
右下がりでも、「変な字だな」とお客様に思われないようにしなくてはならないのです。これは日々の研究課題です。
今日も右下がりの文字の印を彫ってしまいました。角印なのですが「幸子」という二文字です。
「幸」を右、「子」を左にするのは基本的な約束ごとです。あとは「子」は画数が少ないので小さくするとバランスが良いわけです。で、こんな感じになりました。
7ミリ角の印ですが、「子」を入れるスペースを作るために「幸」の長い横角を左から右に下がるようにしています。
下がりっぱなしはよくないので、横角の終わり際で上にあげてあります。「子」の字の横線もそんな感じで処理してあります。
横角に角度をつけるのはスペースを意識していること以外にメリットがあって、文字に躍動感が出ます。
これを水平にすると文字そのものに動きが無くなって面白くないと思っています。